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ハミの選び方

正確なサイズを測るところから

ハミを正しく使用するには正確なサイズを測ることから始まります。 意外と自分が管理する馬の口元のサイズ幅を把握されていない事が有ります。

ビットメジャーを使い馬の正確な口元幅を測ることで正しいサイズのハミを使う事が出来る様になります。 国内で使用されているハミには様々な種類が有りますが、サイズが125㎜や135㎜に限定されている事が多く、ビットラバーを使ってサイズ調整したとしても実際の馬の口元幅より大きなものを使っているケースが非常に多いようです。

BitMeasure

大きなサイズのハミを使用するとハミ位置が安定せずハミ環を口の中に引き込んだり、口の中で唾液の分泌が十分でない時に余分な動きが口内で不快感を生んだりします。

ここ数年の日本で繋養されている競走馬は、血統の背景から顔の大きさが年々小さくなっていく傾向にあり、今や幅の平均は110~115mmになっています。

ボンバーズのハミは100~130mmまで5mm単位を取り揃えています。ビットラバーを使う事で90mmの馬から対応可能です。

ルーズのハミ環の場合→馬の口幅 + 5mm
エッグのハミ環の場合→馬の口幅 ± 0mm

血統背景による競走馬の顔の小型化

近年になって国産馬の小顔化が目立つようになってきました。インブリードによるものやコンパクトな馬同士の配合によるものと考えられますが、特にハミに関わる下顎の左右幅が小さくなってきている事が明らかになってきています。

実際にビットメジャーを使って日本国内の競走馬を測ってみると100~105mmと牝馬でも幅の短い馬や、中には美浦のある厩舎で20頭以上計測をして115以上の馬が1頭も居ないと言うケースも有りました。ビットラバーを使って幅を調整することは可能ですが20mm以上大きなハミはサイズ違いと言わざるを得ません。

見た目でもキタサンブラック産駒やディープインパクトの血統は顔が小さな馬が多く、中にはドゥラメンテ産駒で顔は大きいのに顎幅が小さいと言う馬も居ました。

このような事から、これからは厩舎の馬の管理ボードには自分たちが管理する馬の重要データの1つとしてハミの幅も書いておく必要が出てきていると言えます。馬に使うハミを正しく選択するにあたり、それぞれのハミの効果からどのハミがベストかを探す前に、国産馬の小顔化から一般的に使われているハミが大きすぎる為、過剰サイズを無理に使っている現状を変えて行かなければならない事をご理解ください。

Bombers Bitの選び方

Bombers Bitの選択

表の問題点や癖を参考に、選ぶハミを判断し、正しいサイズで装着して騎乗者が手綱から来る感覚をチャックし、何か変った事が有るかをチェックしてください。一番良い方法は、軽く動ける広い場所で動かして、手前を変えて左右のハミ受け、頭の高さなどをチェックする事です。

問題点・癖 トライ① トライ② トライ③
頭が高い Snaffle Link Ultra Comfy Lock Up McHardy Link
頭が低い
巻き込み
Ultra Comfy Lock Up McHardy Link Eggbut
Happy Tongue
頭を振る Eggbut
Happy Tongue
Loose Ring
McHardy Link
Ultra Comfy Lock Up
ハミ受けが悪い Snaffle Link McHardy Link Ultra Comfy Lock Up
口を開けたまま Snaffle Link McHardy Link Ultra Comfy Lock Up
舌を出す Eggbut
Happy Tongue
Loose Ring
McHardy Link
Ultra Comfy Lock Up
真直ぐ走れない Loose Ring T-Bar
Snaffle Link
Loose Ring T-Bar
Ultra Comfy Lock Up
Drop Cheek Lite
片ハミ Eggbut
Ported Pivot
Loose Ring
Ported Pivot
制御し辛い
力む
Loose Ring
Ultra Comfy Lock Up
Eggbut
Happy Tongue
Eggbut
Ultra Comfy Lock Up
ハミ位置が
安定しない
サイズ違い
片側に張る サイズ違い

どれかを使用し良くなった改善されたと感じても、他のハミを試してどのハミを使ったときに馬が最もリラックスして動いているかをよく観察し、どれが一番良いかを見つけてください。

Bombers Bit修正使用例

下の表は、日本の馬にボンバーズビットを使って修正に成功した例です。どういった場合に効果が有ったのか参考にしてみてください。

Size 癖・修正点 適合したハミ 以前使用のハミ
4 115 左に張る
右スカスカ
Loose Ring
Ultra Comfy Lock Up
トライアビット
3 120 曲がり辛い
硬くなると右
Eggbut
Happy Tongue
トライアビット
4 120 口を割る
早めOK遅め敏感
Drop Cheek Lite
Bomber Blue SW
水勒
4 110 巻き込み
コントロール難
Eggbut
Happy Tongue
トライアビット
4 115 左右の譲りなし
ハミをはじく
Loose Ring
Ultra Comfy Lock Up
水勒
5 120 右利かず
右に張る
Loose Ring
Ultra Comfy Lock Up
水勒
4 115 右が硬い
力み酷い
Eggbut
McHardy Link
水勒
3 100 カケス/右に逃げる
ハミ位置不安定
Loose Ring
Ultra Comfy Lock Up
水勒
4 115 片ハミ
コントロール難
Loose Ring
Ultra Comfy Lock Up
水勒
5 110 力み
頭高い
Eggbut
McHardy Link
ノーマル
6 125 制御し辛い
力む
Eggbut
Happy Tongue
ペソア
5 120 上ずって走る Eggbut
Ported Pivot
ペソア
4 100 頭高い Drop Cheek Lite
Bomber Blue SW
ノーマル
4 125 ハミにもたれる
伸びる
Eggbut
Ported Pivot
ノーマル
4 100 テンション高
頭高い
Loose Ring
Ultra Comfy Lock Up
水勒
6 120 右硬い
片ハミ
Loose Ring
Moulded Mullen
ノーマル

Bombers Bitを使う際の注意点

ハミのサイズを測る

ビットメジャーを使いハミの幅サイズを測ります。メジャーの右側のストッパーを徐々に狭めて、ストッパーが軽く馬の唇に当たるところでストッパーを固定します。固定した状態でメジャーを左右に動かすとその幅だけハミが動くという事になります。ハミ環よっては多少の遊びが必要なものもあります。 固定したメジャーを口から外し数字を確認します。0が100mmで、目盛りが一つ左右にずれるたびに10㎜ずれていきます。例えば2の目盛りの場合は120mmです。

ハミのサイズ選定と調整

使うハミのサイズは実際の馬のサイズからビットラバーで調整しますが、前に説明した様にハミ環によってアソビを持たせる場合もあります。サイズが115の馬にEggbutを使う場合は115、Loose Ringを使う場合は120を使うのがベストです。また、馬のサイズによっては唇の厚さや頬の厚さが変わるの為、ハミを付けた後に馬の正面から見てビットラバーが内側に曲がってないか、まっすぐな状態で左右のビットラバーが平行になっているかを確認します。もし湾曲していれば1サイズアップして下さい。逆に大きなサイズのハミを使わなければならない場合は、ビットラバーを複数枚使用するか大きなビットラバーを付けてください。

ハミの固定

ジョイント部のあるハミを使用する際は必ずビットストラップを付けて顎下固定して下さい。Happy TongueやPorted Pivot、Moulded Mullen等のジョイントの無いハミ身を使用する際は必須ではありません。

ハミのメンテナンス

スイートアイアンを使用しているハミは酸化しやすい性質を持っています。湿気の多い場所に置いておくだけで酸化し、使用せずとも錆びたように変色します。また、通常使用の後も錆びた見た目になります。しかし、この酸化が馬の口の中の唾液分泌を活性化させる効果を持っています。 基本的に使用後は良く洗浄し、良く拭いて乾かしてから次の仕様迄保管してください。錆を防ぎたい場合は植物性オイル等でコーティングしてください。 Moulded Mullenは特殊な繊維と金属のミックスです。多用する中、噛付きが強い馬に使う事が多いと繊維が突出してくる場合が有ります。使用前にはクリアな状態かご確認ください。